土地家屋調査士としても10年のキャリアをもつ弁護士がご相談に応じます。
弁護士の中でも、土地家屋調査士の資格と実務経験を持っている弁護士はほとんどいません。
境界問題解決のパートナーとして、最適な法律専門家と自負しています。
典型的な境界争いのタイプです。隣との境界を画すブロック塀の真ん中を境界線が走っているのか、それともブロック塀のこちら側か、向こう側か?というような争いです。ブロック塀でなくて、側溝のこともありますし、植栽のこともあります。
「購入したときに、仲介の不動産業者からここだと言われた」のに、あるいは「亡くなった父親がここが境界だと言っていた」のに、お隣は別のところを境界線だと主張する、というようなことで争いがおこります。せいぜい幅でいえば5センチとか10センチで、係争部分全体でも一坪になるかならないかのケースも多く、経済的価値自体はそれほど高額になるわけではありませんが、お隣同士の日ごろの人間関係が絡んで、深刻な問題になることもあります。
田舎にあるので放置していたが、その間にだれかが勝手に家をたてて住んでいる、というようなこともあります。自分の土地だということが明確であれば、時効取得されているような場合でない限り、明け渡しを求めることになります。話がつけば、新たに土地の賃貸借契約を結ぶ、ということも考えられます。
相続した土地などで、現地に行ったことがなかったような場合、あるいは長期にわたって放置し、現地を確認したことがないような場合にときどきある話です。何かのきっかけで当該土地の場所にいってみると、「自分の土地がみあたらない、どこにあるかわからない」ということになります。
「登記簿にも公図にもある」のですから、少なくともどこかにはあるはず、と思うのが常識です。
(1)公図が現地と大きく食い違っており(地図混乱地域)発見が難しい
(2)その土地の周囲の人が土地を取り込んで建造物を建ててしまっている
ようなことが考えられます。特に(2)の場合、2つめの事例と同根の問題ではありますが、どこが自分の土地であるか特定できないことから問題は複雑になってきます。長年にわたって形成された現状を覆すことになりますし、複雑な権利関係が絡んでくることにもなりかねず、困難な問題になります。
事例3と逆のケースですが、この場合は解決はそれほど困難ではありません。
地図訂正の手続きをとって公図(地図)に記載してもらうことによって解決します。もちろん、その土地の所有権の帰属について近隣の人と争いがある、というような特別の事情があればまた別ですが。
事例3と同じような問題だと考えられるかもしれませんが、公図(地図)の記載が逆になっている、という証拠がないと、法務局は容易に地図訂正に応じません。地図訂正に法務局が応じない場合は、登記簿を入れ替える、即ち上の図でいけば、A名義の土地をBに、B名義の土地をA名義に所有権の移転をするということで解決するしかありません。しかし、一方に抵当権が設定されている等、他の権利関係が付着しているとそれを解決しなければいけませんし、税金の問題が出てくることもあります。
境界問題にも様々なタイプがあります。しかし、どのタイプの問題であれその解決のためには、
まずは(1)事実関係(法律上の権利関係や現実の占有状況を含めて)を把握することが必要になります。
そして事実関係の把握が正確にできれば、次にそれを踏まえて(2)問題解決の手続を選択することになります。
まず「事実関係の把握」ですが、一般の人には、どのような事実関係をどこでどのように調査すればよいのか、なかなかわかりにくいものです。「法務局に行けばよい」とか、「市役所に行きなさい」と言われても戸惑うばかり、というのが実際のところではないでしょうか。
たとえば、隣地との境界線に争いがあるような場合でいいますと、法務局で隣地や自分の土地の登記事項証明書、公図(地図)、地積測量図などを取得することは必須です。その地積測量図が現地復元性のあるものならば、それだけで実際の境界線がどこにあるのかは、ほぼ明確になります。
しかし、地積測量図が無いようなケースも多く、ずいぶん昔に分筆されたような場合は分筆申告書の図面を閲覧したり、土地台帳の付属地図(公図の原本といっていいでしょう)を閲覧したりすることも必要になる場合があります。また、事案によっては、お互いの土地の分合筆や所有権者の推移などを調査することも必要な場合があります。
次に、現実の占有状況の調査も必須です。境界標識があるのか、いつ設置されたものか、現況測量の結果登記簿(登記記録)と面積が一致するのかしないのか、一致しないとすればなぜなのか等々。
こういった調査の結果を踏まえて、問題解決の手続きを選択することになります。すでに「話し合いで解決する」状態でなくなっている場合は、境界確定訴訟とか所有権確認訴訟あるいは建物収去土地明渡請求訴訟などの裁判手続、法務局での筆界特定手続、さらには裁判外の紛争解決手続(ADR)の利用なども検討することになります。申立のしかた如何では調停手続を利用することも可能でしょう。
事案に応じて選択することになります。
1つ目の事実関係の把握は、土地家屋調査士の専門領域です。そして2つ目の手続面は法律専門家としても弁護士の専門領域です。一般には、双方相携えながら問題処理にあたっているケースが多いようです。 なお、私は、土地家屋調査士として10年ほどの実務経験をもって弁護士になりました。 弁護士のなかで、土地家屋調査士の資格と実務経験をもっている者は、おそらくほとんどいないでしょう。境界問題の解決にはもっとも適した法律専門家であると自負しています。 |